〒671-1156 姫路市広畑区小坂24番地1
広畑メディカルガーデン 1階
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主に性行為(性交だけでなく、オーラルセックスやアナルセックス 等)を行うことで、引き起こされる感染症のことを総称して性感染症(STD)といいます。
一口に性感染症といいましても様々な種類があるわけですが、泌尿器科では性感染症に対する診察・検査・治療も診療の対象となっておりますので、心当たりのある方やパートナーが何らかの性感染症に罹患したという方は、一度当院をご受診ください。
淋菌感染症、性器クラミジア感染症、マイコプラズマ尿道炎、梅毒、HIV感染症(AIDS)、性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、ウイルス性肝炎(HAV、HBV、HBC 等)、性器カンジダ症、トリコモナス症 など
梅毒トレポネーマ ( Treponema pallidum )
非常に弱い菌で、人間の体内や粘膜でしか生存できません。温度や湿度といった環境変化に弱く、体外に出ると数時間で感染性を失い死滅します。
性行為により感染します。また、口唇に感染がある場合はキス等で感染することもあり、乳頭に病変が発生することもあります。 飛沫感染や空気感染はなく、日常生活で感染することはありません。
また 妊娠中の母親から胎児に感染する“先天梅毒”の危険があります(母子感染)。
多くは3週間ほどの潜伏期間
全身に梅毒の菌が行き渡った状態になり、広範囲で症状が現れるようになります。
何の治療もしなければ長い潜伏期間を経てから、感染後3~10年の間に全身の皮膚や筋肉にゴムのような腫瘍がみられるようになります(第3期)。ただこのような状態になることは現在では非常に少ないです。
それでも放置が続き、感染後10年以上が経過すると(第4期)、心臓や血管、脳や脊髄などにも障害が及び、生命にも影響することがあります。
感染から4週間(1ヶ月)以降の受診が推奨されます。
RPR(活動性)とTP(感染の履歴)の2種類の抗体検査を組み合わせて判定します。
医療機関のほか、保健所(無料・匿名)でも検査可能です。
潰瘍部分などの組織から直接菌の遺伝子を検出するものです。初期での診断に有用です。
ペニシリン系の抗菌薬が使用されます。感染期間に応じて、数週間〜数ヶ月の治療が必要です。ペニシリン系の抗菌薬を用いることができない場合は、セフェム系、テトラサイクリン系などの抗菌薬などを用います。
ちなみに早期の段階で梅毒の発症に気がつき、速やかに抗菌薬による治療が行えれば2週間程度の治療期間で済みますが、感染期間が長い状態での治療となれば、それだけ治療期間も長引くことになります。
治癒しても再感染する可能性がありますので、心配な場合は再検査をするようにしてください。
日本を始め、世界中で感染者数が増加傾向にあります。男女ともにクラミジアに次いで感染者数が多く、とくに、20代〜30代前半の若い世代で注意が必要です。
男性と比較すると女性の感染者数は少ないのですが、女性は無症状なので気がつきにくいためと考えられています。
新生児への感染リスクがあるため、早急な抗菌薬治療が必要です。
淋菌で重要なのは、クラミジアとの混合感染が多いという点も特徴の一つです。
淋菌(Neisseria gonorrhoeae)
性行為(膣、口腔、肛門)の粘膜接触
数日~1週間
男性は尿道のかゆみ・熱感、尿道から膿が出る、排尿時の痛みなどがあります。性器全体の腫れ(前立腺炎による排尿障害/排尿時痛や精巣上体による睾丸の腫脹・疼痛)を認めることもあります。
女性の場合は、症状が軽度、もしくは無症状というケースが多いので、気づきにくいというのが特徴です。症状がある場合は、膿が混じった黄色っぽいおりものの増量(悪臭も放つ)がみられるほか、尿道炎による排尿の痛みや尿道口より膿が出るようになります。
放置すると上行感染に至ることもあり、これが不妊の原因になることもあるほか、骨盤内炎症性疾患(PID)を引き起こせば、発熱や下腹部痛などの症状がみられるようになります。
また淋菌は、オーラルセックスによって咽頭感染(性器感染している方の10~30%)が起きたり、アナルセックスによって直腸に感染したりすることもあります。感染部位にムズムズしたかゆみや不快感、痛み、出血などが挙げられ、さらに直腸であれば、血便や下痢の症状なども現れます。
ほかにも淋菌に感染している人の精液や腟分泌液が目に入ると結膜炎になり、重症化すると角膜潰瘍から視力低下につながることがあります。
おりものや尿で、淋菌・クラミジアの検査が可能です。検査方法は以下の2通りです。
おりもの、尿、咽頭うがい液を用います。ごくわずかな淋菌も検出することができる、感度の高い検査方法です。感染機会の翌日から検査が可能です。症状のある場合は保険適用となります。
結果が出るまで、数日〜1週間程度かかります。処方した薬が効いているのか否かの判断が可能になりますので有用な検査です。感染機会からすぐの場合、正確な検査ができないことがあります。
抗菌薬による治療となりますが、薬剤耐性菌が増加していることから、注射薬の投与が基本となります。
Chlamydia trachomatis
性行為(膣→尿道や子宮頚管、口腔、肛門)の粘膜接触
1~3週間ほどの期間
男女ともにこれといった症状が現れない方々が男性は5割、女性は8割近くいるため、そのまま放置した状態(長期感染)にしている方も少なくありません。
症状が出た場合は
軽い排尿時の痛み、尿道からの水っぽい膿(分泌物)、かゆみなど、精巣上体炎のために精巣に腫れや痛みがみられることもあります、最終的には男性不妊に繋がります。
おりものの増加、不正出血、軽微な下腹部痛など。妊娠中に感染した場合は早産・流産・子宮外妊娠といったことも可能性として出てきます。
なお咽頭感染の場合喉の痛みが出現しますが、9割が無症状です。
PCR検査(遺伝子検査)を行います。
男性は尿(初尿)、女性は膣ぬぐい液、男女共通でうがい液(咽頭)や直腸ぬぐい液を使用します。うがい液は食塩水またはミネラルウォーター)20~40mlを15秒間、うがいしてもらったものを使います
感染の可能性がある行為から1〜2週間後が時期としては適切です。
治療が必要となれば、同疾患に効果があるとされる抗菌薬(マクロライド系、キノロン系、テトラサイクリン系 等)の服用となります。
病原体は、主にヒトパピローマウイルスの6型や11型、あるいは16型とされ、これらに感染することで、肛門周囲や外陰部にカリフラワーや鶏冠のようないぼ状のできものが発生している状態にあると尖圭コンジローマと診断されます。
主に同疾患に感染している患者さまとの性交や性的接触によって感染し、平均して3ヵ月程度の潜伏期間を経てから発症するようになります。
性器あるいは肛門周辺にいぼが発生するのですが、これらが増え、くっつくようになるとカリフラワー状の形になっていきます。
いぼが発生しても自覚症状は出にくいとされていますが、人によっては痛みやかゆみ、違和感などを訴えることもあれば、女性はおりものが増えるといったこともあります。
患部が特徴的な形をしているので視診で判断されることもありますが、確定診断として組織診(いぼの一部を切除し、顕微鏡で詳細を調べる)なども行われます。
治療法は、主に薬物療法と手術療法に分かれます。
薬物療法では、イミキモド5%クリームの外用薬、80~90%三塩化または二塩化酢酸溶液の外用薬などが用いられます。
また外科的治療(手術療法)としては、電気メスによる焼灼法をはじめ、液体窒素による凍結療法、炭酸ガスレーザーによる蒸散法などが行われます。
HIVウイルスに感染した状態にあるのがHIV感染症です。
感染経路としては、(HIV感染症の患者さまとの)性行為やその類似行為によって感染すること(粘膜同士の接触、傷口からのHIVウイルスの侵入 等)もありますが、血液感染や母子感染というケースもあります。
同疾患は1~2週間の潜伏期間を経た後、インフルエンザに似た症状(発熱、倦怠感、関節や筋肉の痛み 等)が引き起こされますが数週間程度で治まるようになり、以降は自覚症状がみられることはありません(無症候期)。
ただ、その間であっても免疫に大きく関係するCD4陽性T細胞がHIVウイルスに感染してしまうと、同細胞は減少し続け、放置状態が続けば5~10年程度の経過で、免疫不全の状態となることがあります。
このような場合、健康体であれば感染することはないとされる細菌や真菌であっても日和見感染症(カンジダ感染症、ニューモシスチス肺炎、クリプトコックス症 等)や悪性腫瘍などを引き起こし、重症化するようになります。
この状態のことをAIDSといい、生命にも影響を及ぼすことがあります。
血液検査を行い、HIV抗体の有無を調べることで陽性もしくは陰性が判明するようになります。
なお、原因と考えられる感染経路(性行為 等)から3ヵ月に満たない時点で検査を受けた場合、陰性と判定されることがあります。
このようなケースでは、3ヵ月が経過した後にもう一度同検査を受けられるようにしてください。
現時点で完治させる治療法は確立していません。
この場合、HIVウイルスの増殖を抑え、AIDSの発症をできるだけ遅らせるための治療が行われます。
具体的には、抗HIV薬の多剤併用療法となります。
種類はいくつもありますが、現在は1つの錠剤の中に複数の薬効成分が含まれた合剤が用いられ、以前よりも服用方法は容易になっています。
同療法で毎日欠かさず抗HIV薬を服用することができれば、AIDSを発症することなく、HIV陰性者と同等の寿命も望めるようになってきています。
肝炎とは肝臓に炎症がみられている状態のことですが、B型肝炎ウイルスによって引き起こされている肝炎のことを一般的にはB型肝炎といいます。
なお感染経路としては、血液感染、体液感染、母子感染があります。
B型肝炎は大きく急性B型肝炎と慢性B型肝炎に分類されます。
前者(急性B肝炎)は、B型肝炎ウイルスに感染したと同時に症状が現れるようになります。
この場合、性的接触、注射器の使い回し、輸血、HBV感染者の血液が傷口に入るなどして感染するようになります。
これらによって、発熱、黄疸(白目や皮膚が黄色くなる)、吐き気・嘔吐など急性肝炎の症状が出ることがありますが、人によっては自覚症状が出ないこともあります。
いずれにしても成人で感染した場合、大半のケースで治癒するようになりますが、一部の方は慢性化してしまうこともあります。
一方の後者(慢性B型肝炎)は、母子感染によるものが多く、6歳未満で感染した場合も慢性化するリスクが高くなります。
また慢性化した状態で、成長するようになれば、肝硬変や肝がんを発症するリスクも高くなります。
血液検査でウイルスマーカーや肝機能の状態を調べることで感染の有無が判明するようになります。
このほか、超音波検査(腹部エコー)やMRIによる画像検査で肝臓の炎症の状態を確認することもあります。
急性B型肝炎の患者さまでは、安静にしていれば多くは回復するようになります。
なお発症して急激に症状が悪化する劇症肝炎の患者さまについては、速やかな治療が必要となり、ステロイドパルス療法などが用いられます。
また慢性B型肝炎の患者さまは治療が必要で、ウイルスを抑制するための抗ウイルス療法が行われます。
ウイルス性肝炎の原因とされるウイルスは、A~E型まで5種類ありますが、そのうちC型肝炎ウイルスに感染することで発症する肝炎のことを一般的にはC型肝炎といいます。
性行為などの性的接触によって感染する可能性もありますが同ケースによる感染はB型肝炎よりは少なく、多くは血液感染によるものが多いです。
具体的には、注射器の使い回し、臓器移植、輸血、入れ墨を彫る、不衛生な環境でのピアスの穴開けなどによって感染に至るようになります。
感染して間もなければ、倦怠感や食欲不振、発熱などが現れることもありますが、人によっては自覚症状が出ないこともあります(急性期)。
なお感染が持続した状態が続くこと(慢性化)もありますが、このような場合は肝機能が低下していき、肝硬変や肝がんなどの発症リスクが高くなります。
ちなみに肝硬変に罹患するようになれば、腹水が溜まる、全身にむくみがみられる、黄疸(白目や皮膚が黄色っぽくなる)などの症状が出るようになります。
C型肝炎が疑われる場合は、血液検査を行います。
内容としては、血液中のC型肝炎の抗体の有無を調べたり、同ウイルスの量を測定したりしていきます。
また画像検査(腹部超音波検査、MRI 等)によって、肝臓の状態を確認する等も行います。
抗ウイルス薬の内服です。
同薬を8~12週間の期間に服用することで、多くは同ウイルスを排除できるようになります。