〒671-1156 姫路市広畑区小坂24番地1
広畑メディカルガーデン 1階
TEL.準備中

泌尿器に発生するがんを総称して泌尿器がんといいます。具体的には、腎細胞がん、腎盂がん、尿管がん、膀胱がん、前立腺がん、精子腫瘍、陰茎がんなどが含まれます。泌尿器がんが疑われる患者さまにつきましても当院で診察や検査を行い、その結果、詳細な検査、手術や入院が必要となった場合は、当院と医療連携している総合病院などの医療機関を速やかに紹介いたします。
男性にのみ存在する臓器である前立腺(膀胱の真下に位置し、尿道を取り囲むように位置、精子を保護する働きなどをする前立腺液を分泌します)にできる悪性腫瘍です。50歳を過ぎたあたりから罹患率が上昇し、特に60歳以上で急増します。ちなみに日本の男性における罹患数第1位ですが、進行が比較的緩やかで、かつ早期発見すれば治療で治る可能性が非常に高い病気です。
男性ホルモンが関係しており、加齢によるホルモンバランスの変化が原因の一つと考えられています。ほかにも食生活の欧米化(欧米風の肉食中心)や遺伝的要因が原因として挙げられています。
血液検査(検診)の結果でPSA(前立腺腫瘍マーカー)の数値が高いと指摘を受けただけでは無症状なことが大半です。病状が進行すると血尿や排尿困難、排尿時痛、水腎症(腎臓に尿がたまった状態のことです)による腰痛などが見られます。骨転移の場合は疼痛や骨折、ひどい場合は脊椎転移から脊髄麻痺になることもあります。
血液検査でPSA(前立腺特異抗原)を測定します。50歳以上の男性でPSA検査を一度もされたことのない方は、一度検査をうけることをお勧めします。特に家族に前立腺がんの既往歴がある場合は、リスクが高まるため、40歳から採血を検討しましょう(ちなみにPSA検査は健康診断やお近くの泌尿器科で検査可能です)。泌尿器科ではPSA検査に加えて直腸診や超音波検査で前立腺がんの精査ができますので、お近くの泌尿器科を受診することをお勧めします。
おしりから指を入れて前立腺を触れます。少し不快に感じる検査ですが、前立腺がんの診断に有用な検査の一つです。当院でもプライバシーに配慮し検査を行っています。
PSAや直腸診などで前立腺がんが疑われる場合に行います。超音波検査(感度42%)や直腸診(感度23%)より高い検出感度を持っており(87%)、当院の連携病院で撮影をしていただいております。
MRIを含めた検査の結果、前立腺がんの可能性が高いときに生検を行います。この検査で診断が確定されます。これは前立腺組織を採取し、がん細胞があるかどうかを顕微鏡で調べる(がんがあるかどうか)ものです。当院では行っておりませんので、がんが強く疑われる場合には当院の連携病院に速やかに紹介させていただきます。
前立腺がんと診断された場合は、がんがどこまで広がっているのかを確かめるためにCT検査や骨シンチグラフィ検査を行います。
がんのステージ(病期)、悪性度、年齢、合併症を考慮して以下の中から選択します。
前立腺がんには、早期に見つかり、進行せず、そのまま経過して最終的に死亡の原因とならない、‘おとなしい‘がんがあります。そういうがんの場合は、治療は行わずに経過観察していくのですが、それを監視療法といいます。
前立腺を全て切除するものです。根治治療になります。現在はロボット支援手術(ダビンチ)が主流です。
放射線を当てて癌を死滅させます。根治治療になります。
前立腺がんは、精巣や副腎から分泌されるアンドロゲン(男性ホルモン)が病気の進行に重要な働きをしており、内分泌療法は、アンドロゲンの分泌や働きを妨げる薬によって前立腺がんの勢いを抑える治療です。抗がん剤に比べ非副作用の少ない治療ですので高齢者や基礎疾患をお持ちの患者さんでも安全に行うことができます。注射と飲み薬があり、当院でもホルモン治療を外来で行っております。
細胞障害性抗がん剤は、がん細胞を消滅させたり小さくしたりすることを目的としています。転移性去勢抵抗性前立腺がん(転移があり内分泌療法の効果がなくなったがん)に対して使用していましたが、近年は初発の転移性去勢感受性前立腺がん(内分泌療法に感受性があり、転移しているがん)に対しても使用することがあります。
膀胱は骨盤の中にある袋状の臓器で、尿を一時的にため、ある程度の量になったら体の外に出しています。膀胱がんは、膀胱にできるがんの総称です。膀胱がんの大部分(90%以上)は、膀胱の内側を覆う尿路上皮のがん(尿路上皮がんといいます)です。
*ナフチルアミン、ベンジジン、アミノビフェニルは、かつて染料、樹脂製品や薬品などで使われていた物質です。
他の症状を伴わず、肉眼で見える血尿(無症候性肉眼的血尿といいます)が典型的ですが、頻尿、排尿時の痛み、尿が残る感じ、切迫した尿意などを伴う症候性肉眼的血尿で見つかることもあります。この場合は膀胱炎など他の疾患との区別が重要で、自身で判断せず、泌尿器科に受診するようにしてください。
また血尿が一時的であったため、泌尿器科に受診せずそのままにするケースも見受けられますが、膀胱がん(のちに記載している腎盂がん・尿管がん含め)の可能性がありますので、このような場合も泌尿器科への受診をお勧めします。
また血尿には、目でわかる血尿がある一方で、目に見えず顕微鏡でしか確認できない血尿もあります。健診などで尿潜血陽性を指摘され、泌尿器科に受診し、実際顕微鏡で血尿であることを確認し、膀胱鏡などの精査を行った結果、膀胱がんを発見できたという事例もありますので、泌尿器科への受診を積極的に検討してください。
一般的な尿検査のほかに、尿細胞診検査というものがあります。尿中にがん細胞が含まれていないかを顕微鏡で調べるものです。これが陽性の場合、‘尿路のどこか’にがん細胞がある可能性が高く、膀胱内視鏡検査を行い膀胱内に腫瘍がないか確認をします(膀胱鏡で膀胱内に腫瘍を認めない場合は、腎盂・尿管がんの可能性が高くなります)。ペンタックス製ビデオ膀胱スコープです。軟性の内視鏡で従来の硬性膀胱鏡とは比べものにならないくらいに苦痛の少ない検査が可能です
がん広がりや、根っこの深さ(深達度)を確認するためにCT検査やMRI検査を行います。
そして確定診断をするためには経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBTといいます)を行います。これは数日から1週間程度の入院が必要です。全身麻酔あるいは腰椎麻酔をし、尿道からがんを切除するための電気メスがついた内視鏡を挿入して切除します。切除した組織を顕微鏡で調べて、がんの有無、がんであれば深達度や悪性度について診断をつけます。
検査の目的でTURBT(経尿道的膀胱腫瘍切除術)を行うと書きましたが、TURBTは治療も兼ねています。
ただし、TURBTで治療が完結する膀胱がんもあれば、追加治療が必要な膀胱がんもあります。追加治療としては薬剤を膀胱内に注入する膀胱内注入療法(BCG;ウシ型弱毒結核菌、抗がん剤など)、膀胱全摘除術、薬物療法などがあります。
膀胱がんのうち表在性のもの(筋肉までがんが到達してないもの)は術後も3カ月に1回の間隔での定期的な内視鏡検査が必要です。これは膀胱がんが非常に再発しやすい特徴があるからです。
腎臓内の中に、腎臓で作られた尿が集まる部位があり、腎盂といいます。この腎盂に発生するがんを腎盂がんといいます。尿管は、腎臓で作られた尿を膀胱へ送る管状の器官のことで、尿管に発生する悪性腫瘍が尿管がんといいます。この2つは同じ組織型(がんの種類)であり治療法に違いがないため、まとめて「腎盂・尿管がん」として治療することが一般的です。
ちなみに、尿路(尿の通り道のことです)のうち‘腎盂~尿管~膀胱~尿道の一部’の内側は尿路上皮(移行上皮)と呼ばれる粘膜で覆われていて、この細胞から発生するがんを尿路上皮がんといいます。
腎盂・尿管がんと同じ尿路上皮がんである膀胱がんと比べると、腎盂・尿管がんの患者数は少ないです。
また、腎実質の細胞ががん化して悪性腫瘍になった‘腎細胞がん’は腎盂がんとは全く性質の異なるがんで、治療内容も違います。
高齢男性に発症しやすく、喫煙やベンジジン、ナフタレンといった化学物質にさらされやすい職業に携わる方などは発症リスクが高くなります。
他の症状を伴わず、肉眼で見える血尿(無症候性肉眼的血尿といいます)によって発見されることが大半です。言い換えると人間ドックなどで行うPET検査やCT・超音波検査でも、よほど進行したがんでない限り見つけることは困難なのです。ですので、無症候性肉眼的血尿がみられた場合は速やかに泌尿器科に受診することをお勧めします。また、尿管がんが進行すると水腎症を併発し、それによる背中や腰、腹部の痛みがみられることもあります。
一般的な尿検査のほかに、尿細胞診検査というものがあります。尿中にがん細胞が含まれていないかを顕微鏡で調べるものです。これが陽性の場合、‘尿路のどこか’にがん細胞がある可能性が高く、膀胱鏡で膀胱内に腫瘍がない場合は、腎盂・尿管がんの可能性が高くなります。腎盂・尿管がんかどうかを確定するには、CT検査(CTウログラフィー)を行います。CT検査で判然としない場合は逆行性腎盂尿管造影検査という検査で選択的尿細胞診検査を行います。それでも診断できないこともあり、その場合は尿管鏡検査を行います。
がんの進行の程度(病期)や全身状態、本人の希望や年齢などを踏まえ、担当医とともに決めていきます。
腎盂・尿管がんの治療は手術が基本で、がんがある側の腎臓と尿管をすべて摘出します。以前は開腹手術で行われていましたが、現在は腹腔鏡やロボットを用いた手術が行われています。ただし、場合によっては腎機能を温存することを優先して、部分的切除を行うこともあります。なお、手術の前後には薬物療法を行うことがあります。
がんが進行して切除が難しい場合や、遠隔転移がある場合は、薬物療法を行います。
片方の腎臓を摘出し腎臓が1つになった場合は、残った腎臓の機能がこれ以上悪化しないように高血圧や糖尿病といった生活習慣病に注意が必要です。その観点から当院では生活習慣病に関しても診療を行っております。
腎がんとも呼ばれる疾患で、腎実質(尿を生成するなど実質的な働きをする器官で尿細管などが含まれる)に発生する悪性腫瘍のことをいいます。ちなみに腎盂(腎臓で作られた尿を一時的に溜める器官)で発生したがんは、腎盂がんと呼ばれ、病名だけでなく治療内容も異なります。
50~60代の男性に発生しやすいとされています。肥満、喫煙、高血圧、透析がリスク因子といわれています。
発症初期は自覚症状がありません。健診や他の病気の検査をした際に偶然見つかったというケースがほとんどです。病状がすると、血尿、体重減少、発熱、背中や腰の痛み、腹部腫瘤などを認めます。
超音波検査(腹部エコー)やCTによる画像検査で腫瘤の有無を確認します。その後は、転移や浸潤の程度を調べる検査として、MRI検査、胸腹部CT検査、骨シンチグラフィ検査などを行います。
腎細胞がんの治療は手術療法が基本となります。この場合、腎臓を丸ごと切除する根治的腎摘除術、腎臓の一部を切除する腎部分切除術(小さな悪性腫瘍の場合に選択)が行われます。また摘出が困難とされる腎細胞がんや転移している同がんについては、分子標的薬などの薬物療法が行われます。このほか、骨に転移したことによる痛みがあれば、放射線療法を行うこともあります。
精巣は男性の生殖器で陰嚢の中にある臓器です。テストステロンなどの男性ホルモンを分泌する、そして精子を作るという重要な役割を担っています。その精巣に発生する腫瘍のことを、精巣腫瘍といいます。
大半は(精巣内の)生殖細胞より発生する胚細胞腫瘍です。
同疾患の罹患率は10万人に1~2人とされるもので、比較的にまれです。発症年齢は乳幼児期と20~30歳代にかけて2つのピークがあります。男性の全腫瘍の1%程度ですが、15~35歳の男性においては最も多い悪性腫瘍です。
不明です。停留精巣の既往のある男性が精巣がんになる確率は、ない男性より2~10倍程度、精巣がんになった家族がいる男性では4~8倍程度また発症リスクが高くなります。また精巣がんになった男性はなってない男性に比べて反対側に精巣がんが発生するリスクは20倍になるといわれています。
痛みはないものの陰嚢が腫れている状態(無痛性陰嚢腫大)で発見されることが大半ですが、なかには下腹部のおもだるい感じ(30%)、急性の精巣通(10%)を伴う場合もあります。
まず触診で陰嚢内のしこりや腫れを確認することが重要です。その後、陰嚢超音波(エコー)検査で精巣内に腫瘍を確認します。診断が難しい場合はMRI検査なども追加で行います。また、血液検査(AFP、hCG、hCGβ、LDH)が有用で、これらは診断だけでなく治療効果の判定にも用いられます。
精巣摘除術(高位精巣摘除術)を行います。取り出した精巣内の精巣腫瘍を顕微鏡で確認します。それと病状の進行程度によって追加治療の有無を判断します。内容としては、化学療法(抗がん剤治療)、放射線療法、手術療法(後腹膜リンパ節郭清 等)があります。
精巣摘除なら3~5日間、化学療法なら約3ヵ月程度かかります。それでも治癒しない場合、別の化学療法や残存腫瘍の手術を行うので、治療期間がトータル1年以上になることがあります。
有効な予防法はありません。